はじめに
ここでは、アニメ「荒ぶる季節の乙女どもよ。」を視聴した感想について書く。
ネタバレ有
荒ぶる季節の乙女どもよ。について
- 2019年7月~9月
- 全12話
- 荒ぶる季節の乙女どもよ。 - Wikipedia
文芸部に所属している小野寺和紗を中心とした、 高校生の恋愛・性・友情をテーマにした作品。 文芸部に所属する5人の少女がそれぞれ人を好きになり、 変化に悩んだり、不安になったりしながらも、青春を謳歌する話。
感想
新しいタイプの青春作品。 少女に焦点を当て、少女たちの心理描写をより具体的に行っている。 調べたところ、原作者の方は岡田麿里さんという人物。 ここまで具体的な女子高生の心理描写は男性には難しそうだなと思っていたが、 原作者が女性の方ということで納得。 男である私にとって、この作品からは色々と新鮮な学びを得た。
まず、オープニングからオシャレ。 曲も良いのだが、それに加えて文芸部員それぞれのセリフが入っていることも斬新だった。 綺麗な青空や水面、みんなで走り出す姿など青春を強く感じる。 絵柄も柔らかい。オープニングを含め、 作品全体を通して「淡い」感じの絵柄がちょうどよくマッチしている。
下ネタも多用されている。 下ネタというか性に関する直接的な表現。 高校生の心理を描写するためにはそれが必要であるし、 この作品ではそこが大きなテーマになっている。 第一話の時点から、主人公である和紗の幼馴染の泉が人生最大級のトラウマ体験をする。 フィクション作品であろうと暗黙的に禁忌とされていそうなこのトラウマ体験。 誰もが「こんな状況には絶対になりたくない」と一度は考えるはず。 それをあっさりと作品内に取り入れていく姿勢。すごい。
文芸部の面々がそれぞれ、恋愛や性、男女のあれこれに飲まれていく。 幼馴染を意識しだしたり、クラスメイトを好きになったり、 先生を好きになったり、友達を好きになったり、 友達の彼氏を好きになったりする。 恋愛とは何か、好きになるとは何か、それらは性的な行為と必ず結びつくものなのか、 登場人物たちは色々と考え悩みながら進んでいく。 視聴者側も同じように考えさせられる。 現在中学生や高校生の視聴者は、「こういった考えもあるのか」と学ぶこともできるのかもしれない。 アニメやマンガは楽しむことはもちろんのこと、 新しい発見や考えを学ぶこともできる。
大人になってしまった私であるが、 大人でもこの作品から感じることは多い。 私にとっては遠い過去である青春の雰囲気を感じることができたり、 高校生ならではの友人関係、 良く分からないノリがあったり、 ちょっとしたことで気まずくなったりする何とも言えない感じをこの作品では味わえる。
大人になると基本的に自分の気持ちを隠すことも多い。 色々責任が絡んだりして、損得勘定が優先されるからだろう。 しかし、高校生の頃はそういった責任が少ない分、 感情が直接的になりやすい。 それらのことがこの作品では緻密に表現されている。 素晴らしいの一言に尽きる。
また見たい。
おわりに
アニメ「荒ぶる季節の乙女どもよ。」を視聴した感想を書いた。