小説「 遠い国のアリス / 今野敏 」 感想


情報

  • 題名:遠い国のアリス
  • 著者:今野敏
  • 出版:PHP文芸文庫
  • ジャンル:SFファンタジー・ロマン

遠い国のアリス (徳間文庫)

遠い国のアリス (徳間文庫)

  • 作者:今野敏
  • 発売日: 2016/03/04
  • メディア: Kindle版


感想

サラッと読めるSF作品だった。 SFと聞くと堅苦しいイメージがあるが、 この作品は説明も分かりやすく簡潔で詰まるところがない。 あと、改行がもの凄く多いことも読みやすさの一因だと思う。

内容は、二十歳の漫画家「菊池有栖」が仕事に疲れて別荘を訪れたところ、 パラレルワールドに迷い込んでしまうというもの。 物語自体は結構シンプルなように感じたが、 三十年前の作品であるためそれは仕方ない。 反対に三十年前からこういったSF作品があったのだなと驚いた。

序盤のまだ物語が動いていない場面は少し退屈かもしれないが、 その後の物語が動き始めてから解決するまでの間はスピード感があって良い。 大きなどんでん返しはないが面白みは十分にあると思う。 特にパラレルワールドや時間についての説明は分かりやすくて感心した。

この作品は本当に読みやすかったので、 同じ著者の他作品も読んでみたい。 SFを読みたいけど何を読もうか悩んでいるという方々におすすめ。