書籍 「 職業としての小説家 / 村上春樹 」 感想


情報

  • 題名:職業としての小説家
  • 著者:村上春樹
  • 出版:株式会社スイッチ・パブリッシング

職業としての小説家 (新潮文庫)

職業としての小説家 (新潮文庫)


感想

小説家に対する村上春樹の考えが何となく分かる一冊。 人に語りかけるような文体で話が進んでいく。 文章はとても柔らかくてサクサク読める。 以前から小説家として小説を書き続けている状況をまとめて語っておきたかったらしい。 村上春樹の考えに触れたい人におすすめ。

この本にはたくさんの役に立つ話が書かれている。 それを全てここに書くわけにはいかない。 反対にそれらの一つや二つの抜き出して書くことも何か違う気がする。 だからこの本の内容については触れない。 代わりに村上春樹について触れる。

この本を読んで、村上春樹は頑固な人間なんだろうなと感じた。 悪い意味で頑固と言いたいわけではない。 自分の考えを強く持っているという意味での頑固である。 それは大学の教授に似ている。

大学にいる教授たちはとても頑固だと私は思っている。 自分の考えに対して強い信頼を持っている。 他人の言葉なんかには流されない。 もちろん、自分が間違っている時はしっかりとそれを認め、自分の考えを正す。 だけど自分の考えを正すのは、深く深く考えて考えて、正したほうがいいと証明された時だけだ。

村上春樹の文章からは、そんな大学の教授たちのような頑固さを感じた。