はじめに
Amazon Prime Videoで2020年09月18日より配信されている、 三谷幸喜監督×香取慎吾主演『誰かが、見ている』について感想を書く。
作品概要
- タイトル:「誰かが、見ている」
- 配信場所:Amazon Prime Video
- 配信開始日:2020/09/18
- エピソード数:1話約30分×8つ
主人公の青年(香取慎吾)は変わり者で何をやっても失敗ばかり。 トラブルを起こしては次の仕事を探す毎日。 それでも日々を明るく過ごしている。
その隣の部屋の住人たち(佐藤二朗、山本千尋)は、そんな青年のことが気になって仕方がない。 二人は壁に空いた穴から青年の様子を見て楽しんでおり、 いつしか「この青年を盗撮してYouTubeに投稿したら人気が出るのではないか」という考えに至る。
そして、主人公の青年は有名になっていく。
感想1:新しいコメディ作品
三谷幸喜のコメディ作品は数多くあるが、 その中でも、これまでにないコメディ作品だった。 撮影シーンは、主人公の部屋、その隣の住人たちの部屋、 そしてYouTubeに投稿された主人公の映像を見る人たちの3つ。 とてもシンプルで分かりやすい。
観客の声のSEが入っていて舞台の演劇のようでもあり、 カメラワークなどテレビドラマのような雰囲気も併せ持っている。 今までにない新しいコメディ作品であることは確かだ。
感想2:1話30分で見やすい
この作品は1話約30分で、エピソードが8つある。 つまり、30×8で240分、4時間の作品である。 「合計4時間ある」と言われたら長いと感じるかもしれないが、 一つ一つのエピソードがきれいにまとまっていてとても見やすい。 濃厚なコメディがコンパクトにまとまっていて、 ちょっとした空き時間に見るのにも向いている作品だと思う。
感想3:出演者が豪華
主演は香取慎吾、隣の部屋の住人に佐藤二朗、山本千尋、長野里美。 その他にゲスト出演として、西田敏行、寺島進、大竹しのぶなど豪華メンバーが並んでいる。 さらに、初っ端から野生爆弾のくっきー!が出てきたところで「おお、コメディだ!」と思わされた。 常に画面が映えていて楽しい。
感想4:色彩が鮮やか
場面転換が少ないことをカバーするためか、部屋の内装や登場人物の服装の色が鮮やかだ。 主演の香取慎吾は全身黄色の作業着みたいな服。 そして部屋の壁は青と赤。 他にもオシャレな絵画が飾ってあったり、 インテリアが凝っていたりなど色々仕掛けがある。 視覚的にも楽しい。眼で楽しめる。
感想5:佐藤二朗の演技
この作品には、香取慎吾や宮澤エマなど多くの俳優が出演しているが、 その中でもやはり、私は佐藤二朗の演技が好きである。 「コメディと言えば佐藤二朗」と言われているくらいに、 佐藤二朗の演技はコメディとの相性が良い。 コメディの時の爆発力と、真面目な時の表情のギャップがすごい。 ここまでくると、佐藤二朗はコメディ以外の人物で出演できるのかと心配になるくらいだ。 雰囲気がコメディだから、シリアスキャラなどの演技をしても笑ってしまうかもしれない。
感想6:コメディとストーリー
この作品はコメディを全面に押し出した作品であるが、 しっかりとストーリーもある。 エピソードを重ねていくごとに、 少しずつ話が進んでいき、 主人公の青年を取り巻く環境が変化していく。 それによって、ずっと同じ部屋の中でも、 色々な出来事が起こっていくのだ。
特に後半はストーリー展開が増えていく。 青年が人気になっていく様子や、 恋人との恋愛関係。 最初は一人で遊んでいるだけだった青年だが、 話が進むにつれて、 隣の住人だったり、 母親だったり、 恋人だったり、 有名人だったりなど、 様々な人々と関わり合っていく。 どんどんコメディの幅が広がっていって、 どんどん盛り上がっていった。 面白い。
感想7:ほどよいクライマックス
しっかりとタイトル回収。 今後の展開も期待させるような終わり方。 視聴後もその余韻に浸れるくらいに、 この作品に入り込むことができた。 かなり完成度の高いコメディ作品なのではないかと思う。
おわりに
ここでは、『誰かが、見ている』の感想を書いた。 項目を分けて感想を書くのはちょっと邪道な気もしたが、 邪道じゃない気もしてきたから、大丈夫だろう。
初めは「どうなんだろう、面白いのかな~」と心配しながら見ていた。 だけども一度見始めたら、最後まで一気見してしまった。 この作品はこれまでのコメディ作品ではなく、 三谷幸喜ならではの新しいコメディジャンルだと思う。