はじめに
ここでは、YouTubeのエブリスタチャンネルに投稿されている『石田衣良 小説スクール』について、 各回の内容を箇条書きでまとめていく。この小説スクールは主に小説投稿サイト「エブリスタ」に投稿している人たちを対象にしている。
また、私の考えを混ぜてつつ内容をまとめていくため、意味合いが変わっている可能性がある。
第0回前編(2013)
1:著者名とタイトル
- 小説の書き方は人それぞれ、だけどゴールは同じ
- 著者名とタイトルは重要、一番目に入る
- 著者名の信頼性、キラキラネームは飽きられやすい
- 著者名は、奇抜過ぎず普通ではないものが良い
- タイトルは1~2ヶ月くらい考える
2:タイトルの付け方
- 他作品のパロディ(海辺のカフカなど)
- シンプル(熟語のみや熟語の組み合わせなど)
- 主人公の名前
- 謎めいていてカッコいい
3:質問タイム
- 長いタイトルも悪くない(どんな方法も飽和する)
- 長い目で見ると短く締まっていて洒落ているほうが良い
- テーマの決め方:自分の心が動くかどうか
- テーマ、キャラクター、プロットは決めてから書く
- テーマを決めずに書くのは、純文学の世界に近い
- 内容は決めたのに書き出せないのはまだ順応できていない
- ライトノベルだと出落ちが有効、最初濃い目で出す
4:質問タイム続き
- デビューは1/1000、五年後残るのは1/5
- デビュー後に消える理由はプレッシャーなど
- 「王様ゲーム」著者の金沢伸明さん登場
- 編集者との付き合い方(お互いに良い付き合いを)
第0回後編(2013)
1:講座の導入
- エロ釣り:エロ要素で釣って読ませる
- 小説を書くためには小説を読むべきか
- 小説を読むほど需要が分かる
- 読み過ぎると突飛なアイディアが出にくくなる
- 読まないと長続きできない
- 世界にはとんでもなく上手い人がいる
2:小説家の生き方
- コンスタントに書けたほうがいい
- 小説家もコミュニケーション大事
- 横のつながりを大事に(同じ出版社、同じデビュー時期)
- 小説家は夢がある
- メディア露出は良し悪しがある
3:いろいろな話
- ライトノベルの読者を大人の小説へ繋ぎたい
- 本の世界を盛り上げたい
- マンガではキャラクターが重要
- 小説では心にくるエピソード(バックストーリー)を作る
- なるべく沢山の人の話を聞く
- 小説よりも現実の世界のほうが厳しいことも多い
- 価値観はもの凄く幅広い、自分の考えが全てではない
- 良い話を聞き出すには、自分から良いネタを振る
- デビューした後のほうが経験値が貯まる
- 結局姑息な手は上手くいかない
4:いろいろな話、続き
- 自分の体験を書くか
- 遠い世界や架空の世界を書くか
- 小さくまとまるよりも幅広い目線を
- 小説家は辛いけど、結構良い仕事
第1回(2014)
1:書き出し
- 書き出しでその本を売り、最後の一文で次の本を売る
- 人は不安になると弁解・説明を始めてしまう
- 読み手はストーリーとキャラクターにしか興味ない
- 動きと緊張感のある書き出しが良い
- その作品が面白いかどうかはプロでも分からない
- 小説は嘘だと割り切る、知らないものを知ってると思い込む
- SFの小説を書くならSFの小説を1000冊読む(他のジャンルでも)
2:作品に触れる
- 海外500冊、日本500冊
- ヨーロッパの小説などは論理的に書かれている
- 1000冊読んでも良い本は20冊、その20冊が核になる
- 日本の小説だけ読んでいると、考えがどんどん狭くなっていく
- 歳を取るほど新しいものに感動できなくなる
- 若いうちに何でも読む(好き嫌いはなし)
- 異質なものを組み合わせることが面白い
- 書いたら誰かに読んでもらう(自分では評価できない)
- 途中で止めることが一番良くない(成長できない)
- どんなに長い小説でも200文字程度で要約できる
- 映画やドラマを頭の中で分析、シーン展開など
3:面白くするために
- 最高の書き出し:緊張の中に主人公を放り込む、そこから酷くしていく
- 魅力があり共感されるキャラクターを作る、方法はたくさん
- 「どうやったら面白くできるか」を楽しんで考えられると良い
- ノビノビと小説家が書いていると読者側も楽しめる
- 盛り上がる所はじっくり書いて、何もない繋ぎをいかに短くするか
- 「面白いこと」と「テーマ」をうまく繋げる
- 読者に伝わる感情(テーマ)は一つか二つくらい
第2回(2014)
1:賞の応募について
- 賞に応募するときのあらすじは内容を全部書く
- ネタバレしても面白い作品は面白い
- 二重投稿はダメ、時期をずらせば大丈夫
2:質問タイム
- 夢がある人生のほうが芯が通っていて良い
- プロも書けないときがある(という人もいる)
- キャラクターとストーリーが良ければ、退屈な部分は乗り越えてくれる
3:質問タイム、続き
- 計算ずくよりも自分が楽しめるものを
- 「うけるもの」はない、狙うと読者にバレる
- 取材や資料から読み取れるものも大事だが、小説は小説
- プロットはずれる
- 作家は頭よりも心が強い、心に従う
- 作家に新人もベテランもない、売れる人は売れる
第4回(2015)
前編:会話文が甘い
- 小説は文字と記号でできている
- 読者が想像してくれるような描写を
- 五感に訴える表現が大事
- 会話のお手本:石田衣良「てのひらの迷路」講談社
- 読者は意外と読んでくれる(そう信じる)
- 会話で情報の交換、ストーリー、キャラを表現できる
- 無駄な会話は省く(現実にある日常会話は無駄が多い)
- 話が前に進む会話以外は省く
- 文章のリズムが良いと面白いと思える
- 自分が主演になったつもりで感情を書く
後編:描写が薄い
- 自分がカメラになって小説の中に入ることが大事
- 遠目から見ているだけでは距離感が狂う
- 一緒に感じて考えて笑って怒って泣いて楽しんで
- ボツになった作品は諦めて次の作品を書くのはあり
- 知らない土地を描くときはカメラを持っていくと良い
- 方言を上手く使えばメリット
- 一つの作品に集中する(他のアイディアはメモをとる)
- 違う世代の考えは気にせず(本質は変わらない)
- 逆を取り入れると良い(男は女々しく、女は強く)
- 二番煎じは席がない
第5回(2015)
前編:作品のリアリティ
- 作品にリアリティが欠けている
- ラノベやネット小説では特にリアリティが薄い
- 心理描写や背景描写が薄い
- 現実でこんなこと言うのかという疑問
- 作り物の世界をどれだけリアルにできるか
- 会話文は楽だけど、それだけだと描写が薄くなる
- 自分とタイプが似ている作家とは差別化を
- 自分が世界を見るときの「レンズの歪み」がオリジナル
- 「こう書かないといけない」は気にしなくて良い
後編:作品を1本を書き切る
- 毎月短編を1本書くと勉強になる
- 小説は1本を書き切ることで成長する
- 書いた小説は誰かに読んでもらう
- リアリティは地道な努力
- 面白いものに出会ったら絶対にメモをとる
- 面白いものを面白がれるかどうか
- 歳を取るほど「面白さ」のレベル上がってしまう
- 執筆環境にもテーマを決めてみる(朝書く、倍速く書くなど)
- 基本的にもっと書き込んで良い
- 小説家の夢を諦める必要はない(お金もかからず自由)
第6回(2015)
前編:ストーリーを面白く
- ラノベと大人の小説は書き方が違う
- 最初の書き出しで世界観を描写する(バランス良く)
- (1)「この作者は信用できるのか」
- (2)「どんなセンスの持ち主か」
- 新人賞は必ず読んでくれるから不安にならなくて良い
- ネット小説では会話は上手いがストーリーが下手なことがある
- 行数稼ぎの無駄な会話は省く
- ストーリーが骨で、会話などが肉
後編:質問タイム
- 読者との距離感
- 技術ができていても面白くない作品は沢山
- 魅力的なキャラやストーリーで技術の無さは乗り越えられる
- 状況描写:大雑把な描写をして、特に重要なところは重点的に
- どんな場所に誰がいて何をしているのか、は最低限分かるくらいに
第7回(2016)
前編:質問タイム
- 映画のシナリオから勉強もできる
- 地の文でムードを出す
- 作品を三行程度で要約できるか
- 本当に大きな事件が起きているのか
- 詩や俳句、映画、音楽、ラップなど全てネタになる
- 沢山集めて鍋に入れて煮込んでみる
後編:質問タイム、続き
- 何を言われても平気だと思えるタフさが必要
- 良いシーンでも無駄なら切る勇気
- 異性を書くためには勉強が必要(技でカバーできる)
- 最近はデビューまでは簡単になってきたが、その後が大変
- プロでもやっぱり模索し続けている
おわりに
ここでは、石田衣良の『小説スクール』についてまとめた。 小説を書く上で知っておくべきことを教えてもらえる素晴らしい動画だと思う。
kindle版↓
- 作者:石田衣良
- 発売日: 2012/12/03
- メディア: Kindle版
文庫版↓
- 作者:石田 衣良
- 発売日: 2007/12/14
- メディア: 文庫